当院では、2人目・3人目の産み分けを希望される方の多くが、35歳以上という傾向があり ます。
1.
35歳を過ぎると起きやすい体の変化
35 歳を過ぎると、育児・家事・仕事など日々のストレスが重なり、体に「酸化ストレス(体 がサビつくような状態)」が溜まりやすくなります。 酸化ストレスが増えると、卵子の細胞同士の連携がうまくいかなくなり、卵子の質が低下し ます。その結果、良い受精卵ができにくくなり、着床も難しくなります。
● 育児(送り迎え、学校行事、連絡対応)
● 食生活の乱れ
● 睡眠不足や疲労
こうした日常の積み重ねがお母さんの体に影響を及ぼします。 妊娠の確率を上げるには、ご主人の協力がとても重要です。 奥様が少しでもリラックスできる環境を作ることが何よりの近道になります。
2.
35歳以上と染色体異常のリスク
年齢が上がると、卵子の質の低下により「染色体異常」の確率も上昇します。
• 35歳:295人に1人
• 36~38歳:150人に1人
• 40歳:40~50人に1人
そのため、40 歳以上で産み分けを希望される場合は、妊娠までに時間がかかる可能性やリ スクについて、十分な理解が必要です。
3.酸化ストレスと卵子の老化
酸化ストレスが増えると卵子の老化が進み、細胞のコミュニケーション(糖鎖の働き)が低 下すると考えられています。
対策としては、
● 抗酸化作用のあるサプリメント
● 水素ガス吸入(近年、効果を示す論文が増加)
などが推奨されることもあります。
ただし、年齢の壁は大きく、AMH(卵巣年齢)の数値は特に重要です。
私の経験では、46歳以上でAMHが0.1未満の場合、妊娠は非常に難しいと考えています。
また、
● ピルの長期使用
● 体外受精での強い卵巣刺激
も、卵巣に負担をかける可能性があります。
◆まとめ
妊娠を早く成功させるためには、
• 夫婦でストレスを減らす工夫
• 体の抗酸化ケア
• 年齢に応じた正しい知識 が大切です。





