不妊症
不妊症とは
避妊しない通常の性交がある場合、1年以内に8割、2年以内に9割のご夫婦が妊娠するといわれています。結婚後1~2年たっても妊娠しない場合には、ご夫婦のどちらか、あるいは双方に治療を必要とする原因が隠れている可能性が高いわけです。
WHO(世界保健機関)では、不妊期間が2年以上の場合を不妊症と定義し、日本産科婦人科学会もこの定義に準拠しています。
しかし、日本では結婚年齢がどんどん高くなっています。女性の妊娠力には「年齢の壁」があり、加齢とともに妊娠しにくくなります。加齢は重要な不妊原因でもあるのです。
このため、最近では「子づくり」の努力を始めて1年たっても妊娠しない場合を不妊症と考えるようになっています。また、結婚年齢が高いご夫婦は1日も早く、不妊症の検査と治療を始めるように勧める産婦人科医が多くなっています。
以下のような方は早めにご相談ください。
妊娠できないと心配しているご夫婦は、1日も早く不妊外来を受診しましょう。妊娠しにくい背景には、何か原因があるはずです。詳細な検査で不妊の原因を突き止め、原因に合った治療法を受けることが、妊娠の成功へとつながります。
30代で結婚され、妊娠を希望する方は、早期受診と早期治療が妊娠への第一歩と、肝に銘じていただきたいと思います。女性の卵巣機能は35歳を境に低下します。30代女性にとっては1か月といわず、1日1日が宝物のように貴重な時間です。
肥満体型で多毛、月経が不順という方は、早発閉経や不妊の原因となる多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の可能性があります。
クラミジア感染症は卵管狭窄や閉塞の重要な原因になります。女性でははっきりした症状がなく、感染に気づいていない方も多くいます。クラミジア感染症は性感染症なので、ご夫婦の間で感染を繰り返す心配があります。おりものが多いことがあった、パートナーに排尿痛や尿道のかゆみがあった、こんな経験のある方は早めに検査を受けましょう。