<改良パーコール法の実施について>
パーコール法は、一時期、産婦人科学会での安全性確認が完了するまで使用が見送られていました。しかし、安全性が確立されて以降、当院でも技術の改良を重ねたうえで実施を開始しました。この技術は、男女の産み分けを目的とし、男児が生まれるY精子と女児が生まれるX精子を分離し、希望に応じてどちらかを人工授精により子宮に戻す方法です。
近年、この方法は「リンカル法」や「ピンクゼリー法」と比較して、確実に高い実績を上げています。当院における過去3年間の成績では、成功率が90%~95%を維持しており、非常に良好な結果を得ています。
ちなみに昨年度の産み分け成功率は92%でした。
現在の課題は、人工授精による成功率をさらに向上させることです。その背景には、酸化ストレスによる卵子の老化や精子DNAの損傷といった要因があり、これらが大きな影響を与えています。また、最近ではサウナ人気の急上昇、喫煙、さらには夫婦間のトラブルなども成功率に影響を与える要因として考えられます。
このような課題に対応するためには、主治医とご夫婦がしっかりと相談し、三者間(ご夫婦と医師)の信頼関係を築くことが重要です。これにより、より良い結果を得られる可能性が高まります。